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「ダニに食われた」「ダニによる虫刺されでかゆい」「ダニが繁殖して布団が・・」などという話をよく聞きますが、ダニについてそもそもどこまでご存知でしょうか?
ダニを知らずして、ダニ対策はありません。今回はダニという害虫について知っていただいたうえで、その駆除法や噛まれない対策について考えてみたいと思います。
対策次第でダニに刺されたり、食われたり。それによるかゆみやかぶれ等の被害を大きく減らすことができるようになるかもしれません。ぜひここでダニについて知っておきましょう!
この記事で分かることはざっくりこれ!
- ダニの種類、ダニの被害、人を刺すかどうかを知ることができます
- 自宅でできるダニの駆除法、予防法について理解できます
- ダニが繁殖しやすい環境、しにくい環境について理解できます
- ダニの繁殖箇所ごとの対策法についてそれぞれできることを知ります
そもそもダニってどういう生物なの?
ダニには噛む種類と噛まない種類がいるなど、今まで知らなかったこともあるはずです。
ダニとはこういう生物です
ダニは、昆虫のようなイメージがありますが、実は昆虫ではなく「鋏角亜門クモガタ綱ダニ亜綱」というクモやサソリの仲間になります。
昆虫は頭と胴体が分かれていて、胴体から足が生えていますよね。
ダニはどういう体の構造ではなく、頭・胸・腹が一体で胴体部となっていて、胴体部の前方に口である顎体部があります。体がわかれておらず、胴体に口があって、そこで人の血を吸うイメージです。
さすが「害虫」といったところです。
熱帯から極域(北極や南極)まで世界中にどこでも生息しています。
高い山、低地、湿地。砂漠、土の中、家の中、水の中・・・ダニがいないところは地球上にない、くらい生息地を問わない生き物です。つまり、家からダニを根絶するのは困難だということです。
さらに恐ろしいことに、ダニは、植物や動物の体中まで生息しています。人間の皮膚下に潜り込んで、皮膚を食べて数十匹~100万匹(!)単位で繁殖する(疥癬)こともあるんです。
雑食で菌食、腐食、捕食、植食、寄生・・・、なんでも食べてどこでも生きられます。ダニの養分を絶てば根絶できる・・はずもなく、何でも養分にしてしまいます。
まさにゴキブリ並みの繁殖力。ダニを駆除するのは本当に厳しいのだと最初に知ってください。
難しいことを知ったうえで、それ駆除する方法を今回考えていきます。
家に棲むダニ、野外に棲むダニ
ダニは家に生息すると思われがちですが、野外にも生息しています。
1.屋内に生息する種類
屋内塵性ダニ類と呼ばれ、ヒョウヒダニ(チリダニ)類・コナダニ類・ツメダニ類がいます。
その中でも、ヒョウヒダニ類のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニで、家の中に棲むダニの7~9割を占めます。
ほとんどが体長1㎜以下で目に見えません。
2.屋外に生息する種類
マダニが代表的で、体長3~10mmで目に見えます。
ダニというよりも昆虫で、山・公園・河川敷・草地・庭などで噛まれることがあります。
マダニに噛まれると、腫れる(アレルギー反応)だけではなく、「日本紅斑熱」や「ライム病」といった感染症や、非常に問題となっている「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染する恐れがあります。蚊で媒介されるマラリアのように病気に罹る可能性があるんです。
特に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は致死率30%とも言われており、あのSARS(重症急性呼吸器症候群)と同レベルの致死率になります。
有効な治療法や特効薬はなく、「たかがダニ」と舐めていると大変なことになるんです。
今回の対策もこの屋内塵性ダニ類をターゲットにしています。
噛むダニと噛まないダニがいる
ダニに刺されて(噛まれて)赤く腫れあがりかゆいと思われるかもしれませんが、実はすべてのダニが人を噛むわけではありません。
噛まれることで、蚊のようにアレルギー反応が起きて腫れあがる場合と、ダニの排泄物や死骸、ダニの体そのものに皮膚が触れることでアレルギー反応を起こす場合があり、ダニの種類によって腫れる原因が異なります。
つまり、部屋中のダニを駆除(殺す)しても、その死骸を清掃しなければアレルギー反応が一向にやまないということもありうるのです。
本当に厄介な害虫ですね。
刺すだけではない!ダニによる被害はどういうものがあるの?被害一覧
ダニにはいろいろな種類がいて、噛むダニと噛まないダニがいて、噛まないダニでもアレルギーなどが起きる可能性があります。そこで、ダニの種類と被害について以下に表でまとめてみました。
ダニ名 | 症状 | 噛むか | 繁殖場所 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
屋内 | ヒョウヒダニ | アレルギー | 噛まない | じゅうたん、寝具、家具 | 非常に多い。死骸や糞がアレルギーを起こす。ハウスダストにいる |
コナダニ | アレルギー | 噛まない | 食品、畳 | ツメダニのエサになる | |
ツメダニ | 腫れる | 時々噛む | カーペット、畳 | たまに人を刺して刺咬症にする | |
イエダニ | 腫れる | 噛む | ネズミ | 吸血性のダニ | |
野外 | マダニ | 腫れる、感染症 | 噛む | 草むら、動物 | 大型のダニ、重篤感染症を媒介する |
人の皮膚 | ヒゼンダニ | 疥癬 | 噛まない | 人の皮膚 | 数百万匹繁殖するノルウェー疥癬も |
ニキビダニ | アレルギー | 噛まない | 人の皮膚 | アレルギー性皮膚炎の原因 |
このうち、我々で対処できるのは屋内のダニのみです。
数や触れる可能性で言うと、ヒョウヒダニを何とかしなくてはならなそうです。
これだけ書くと、「ダニから逃れられない」「外にも出れない」と思われるかもしれませんが、症状が出るのは大量発生して、一定の閾値を超えたときのみです。ダニに耐えられるコップがあり、そのコップから漏れたときのみ症状が出る、とイメージするとわかりやすいです。
少しでもリスクを減らすためには何ができるのでしょうか?この後考えて行きます。
刺された場合の対処
もしダニに刺された場合はダニの薬の市販薬や刺された時の対処法を詳しくご覧ください
ダニが繁殖しやすい環境とは・・?
ダニが繁殖しやすい環境についてまず知っておきましょう。
- 気温20~30度(特に25~28度くらい)
- 湿度70~80%(特に70~80%)
- ダニのエサとなるホコリ(ハウスダスト)や食べ残し、フケ、カビなどがある
- 身を潜められる、隠せる場所がある
また、ダニが隠れやすいじゅうたんやソファーのほか、クローゼットや押し入れにしまったままの服や布団も、夏の湿気がある環境では大量繁殖してしまいます。それをそのまま、洗わずに使ったら・・大変なことになりますよね。
ダニが発生した時の駆除法はこれ!
押し入れにしまったものをそのまま使ったり、食べ物をじゅうたんに落としたままにしたりすると、ダニに繁殖してくださいと言っているようなものです。具体的なダニの駆除方法について考えます。
燻煙剤を使う
バルサンやダニアースに代表される駆除薬を使います。部屋を閉め切り、薬品の入った煙を焚いて、ダニを殺します。煙はカーペットやソファーのすき間にも入っていくのでダニが隠れていても駆除できます。
⇒バルサンの効果!引越し時のゴキブリ対策におすすめ商品と注意点を教えます
湿度を低めにする
ダニは低湿度の環境では生きられず、繁殖もできません。天気がいい日に布団を天日干しにするのは、布団の中を乾燥させて、ダニが繁殖しにくい環境を作るという意味もあります。即死はしませんが、爆発的な繁殖も抑えられます。
湿気が多い時期(梅雨、秋雨)や夏の暑い日などは乾燥機などを併用しましょう。室内のカーペットやソファーは干せませんから、エアコンの除湿機能などもフル活用します。
ダニが繁殖しない目安は湿度60%以下です。乾いた天気の日は、多少寒くても換気して、乾いた空気を室内に入れるのは、ダニ予防の面では理にかなっているのです。
最後は徹底清掃
もちろん、掃除機や雑巾がけをして、ダニそのものを除去してしまうのは最も大切な対策法です。ダニだけではなく、ダニのエサとなる食べかすやハウスダストも合わせてきれいにします。
エアコンクリーニングやキッチンクリーニングは、ダニ予防という面でも重要なことだとお分かりいただけるはずです。
最後は根気と時間をかけた清掃が大切になります。
そもそもダニを発生させないために何ができるか 場所別に解説
ダニを徹底的に駆除するのが大切ですが、そもそもダニを発生、繁殖させなければそうした手間もかかりません。ダニ予防のために何ができるのでしょうか?重要な箇所のダニ対策法についてまとめてみました。
布団
布団はダニが繁殖しやすく、人間の肌や皮膚に触れやすい場所です。
ダニが繁殖した布団で寝ていれば、ダニに刺されたり、ダニアレルギーで腫れあがったりしてしまいます。
対策法は以下の通りです。
布団を干す当然布団を干して乾燥した空気を含ませるのが重要です。じめじめした日ではなく、カラッとした天気の日に面倒でもベランダに干してください。これだけでもかなり違うはずで、冬場は湿度も低いので寒いですがぜひ天日干しをしてみてください。
高温乾燥
熱風の中で乾燥すれば、ダニも確実に死滅します。とは言え、家庭用の乾燥機では布団はなかなか入らないですよね。ぜひコインランドリーに持っていき、30分間乾燥してください(洗わなくて乾燥機だけでOK)。
業務用乾燥機は効果絶大で、少々大変かもしれませんが、ものすごく効果があるダニ予防法になります。
マットレス
布団の下に敷くフカフカしたマットレスですが、こちらも天日干しを基本にしてください。
ただし、マットレスをコインランドリーの乾燥機にかけることはできません。
したがって、高温乾燥は難しく、また、布団よりも重く、ベランダに掛けられないこともあるため、掃除機による徹底した湿気とダニの吸い込みも併用してください。
家庭用の布団乾燥機に入れば、それを使って乾燥させるのもありです。
毎日部屋の掃除をするとき、布団は外に干して、その間にマットレスを掃除機掛けするでもOKです。
手間がかかりますが、ダニが繁殖してその寝床になりますので、常にきれいにするのを心がけてください。布団にダニ捕りロボといったダニ取りシートを使うのも効果的です。
関連 布団乾燥機のおすすめ10選!ダニ対策に効率的な温度やダニモードを解説
じゅうたん、カーペット
ホコリやダニがすき間に溜まりやすいだけでなく、食べ物のかすなどが落ちてそのままになりやすい場所でもあります。放置しておくと、ダニにエサ場を提供するようなものです。
毎日掃除機をかけるのはもちろんですが、おすすめしたいのはスチームアイロンです。
アイロンのスチーム機能を使ってもいいですし、タオルやガーゼを濡らして、その上からアイロンがけするだけでも効果があります。
大変なので毎日する必要はありませんが、気が付いたら少しずつでいいので、スチームアイロンがけするとダニ予防になります。
畳
畳は「イグサ」という植物でできていて、食べかすやほこりがたまりやすく、ダニの格好の繁殖場所になります。じゅうたんには繁殖せず、畳に繁殖するダニ(コナダニ)などもいて、石油由来ではなく、畳が天然成分だけにダニが生きやすい環境になっています。
湿気もためやすく(その分部屋の湿気は吸収するのですが)、ダニ天国ともいえます。
対策法としては、毎日畳を外して天日干しにするのが一番ですが、武家屋敷じゃあるまいし、そんなことをできる家庭はないでしょう。
毎日の掃除機+週1回~2回の硬く絞った雑巾がけで、畳のすき間にいるダニを駆除していきます。
ソファー
人が常に寄りかかるソファーでは食べかすのほか、身体から出る汗や皮脂汚れなどが付きやすく、要はとても汚く、ダニが繁殖しやすい環境にあります。
ソファーにはカバーを外して洗えるタイプと、カバーと一体になっているタイプがあります。前者ならばカバーを外して洗濯をして、中身は掃除機掛けをすればかなりの部分、ダニ予防ができます。
後者のカバーと中身一体型の場合、洗濯機にいれることもできず、コインランドリーの業務用洗濯機&乾燥機も難しいでしょう。
比較的効果が高いのはドライヤーで直接熱風を吹きかけて高温乾燥させていく方法です。手間も時間も電気代もかかりますが、ダニ予防にはこの方法が一番です。スチームアイロンは、ソファーが濡れて溶けたり劣化してしまったりすることがありおすすめできません。アイロンがけが大丈夫なのか、ソファーのタグを確認してみてください。
家庭で用意できる防ダニグッズ
市販されているものを使って防ダニをある程度することもできます。もし余裕があるなら準備してみてください。
防ダニ剤
押し入れやクローゼットに掛けるタイプの、消臭も兼ねた防ダニ剤です。「ムシューダ」みたいなものをイメージしていただけるとわかりやすいです。
上でも述べたように、押し入れは湿気が多く、ダニが非常に繁殖しやすい環境になっています。防カビ剤を置くことで多少なりともそれを抑えることができます。
防ダニスプレー
スプレータイプのダニ忌避剤です。ダニに繁殖してもらいたくない場所にスプレーを吹きかけておくと、ある程度ダニを防ぐことができます。
1本1000円しないので、とりあえず使ってみてもいいのではないでしょうか?
防ダニシート
じゅうたんやカーペットの下に敷くタイプの防カビ効果があるシートです。価格が高く(数千円することもあり)、下に敷くためにじゅうたんやカーペットをいったん取り外す手間もあります。
ただし、3年くらい効果が持続するものもあり、一度手間と時間をかけて「えいっ」とやってしまえば、意外と効果が実感できるはずです。
ただ、新しいものと取り換えるときも同じ手間がかかります。
ダニ捕りシートを比較しておすすめ5選!効果があった最強NO1は?
乾燥機
家庭用の乾燥機は、日々の洗濯物を洗うだけではなく、布団やマットのカビ退治にも役立ちます。家にある方は、こちらの用途でも積極的に使ってみましょう。ただし、場所も取りますし高い買い物になります。
アパートやマンションでは置く場所がないかもしれず、ダニ予防のためだけに買うことはなかなかできないかもしれません。
素人ではダニの駆除に限界がある!?その場合どうすべきか
このように、素人でも、家庭でもダニ予防、ダニ駆除のためにできることは結構あります。しかし、効果には限界がありますし、カバーが取り外しできないソファーや、古い畳などのダニ予防はかなり難しいと言っていいでしょう。
毎日家中の寝具やインテリアを掃除するのは時間的にも無理です。そうならば、思い切ってダニ退治の専門業者に家中のクリーニングを依頼するのも1つです。
当サイトでも、ダニ予防、ダニクリーニングについて、折に触れて記事にしていきたいと思っています。まず、ダニについて知ってください。そして対策の必要性を感じてください。